財団法人極真奨学会 極真空手道連盟 極真館 城南大井町支部


空手は徒手空拳で身を守る武術であり手足など幾つかの部位を強力な武器にかえて身を守る武術です。しかし、現代の稽古体系の中では、正拳、手刀、裏拳、掌底、足部以外、その殆どが使うことも、教わることもなくなりました。

なぜなら、普段、使われない部位の多くは、実践での効果を得るための部位で危険性がひじょうに高く、実践で相手に致命傷を与える為の武器として使用するもので、近代に於ける稽古体系では、稽古中にこれらを技として使う機会が全く無く、教わることもありません。

 しかし、元来の唐手術の技の中では、生死をかけて身を守るために使用していた必殺部位です。我々の極真館は武道と実践性を追求している団体として、敢えて、空手を学んでいる人の知識として、部位の名称と主な用途をご紹介します。
尚、流派等により部位名称が異なる場合がありますのでご理解下さい。

※注 意
正拳、手刀、足技などの代表部位以外は、殆ど、普段の稽古で使用するものではありませんので、くれぐれも注意して下さい。間違った使い方などで、重大な事故につながる恐れがあります。また、特殊部位は、自己の鍛錬を積まなくては、逆に、自分の拳足を痛めたり、内臓なども痛めてしまうので知識のある指導者からのアドバイスを受けて下さい。

最新更新日:平成18年4月19日
代表的な使用部位と用途
正拳(せいけん)

空手の最も代表的な基本部位の一つ。人差し指と中指の付け根の二拳で、顔面、腹部など様々体部に使用できる。
通常突いた時は、二拳が当たるが、イメージとしては、力が分散しないように、人差し指の付け根と腕の内側の骨が直線で結ばれるように突くようにする。
手首を痛めやすいので拳は腕と甲の向きを一直線に固定させるように突くこと。簡単なようでも、その握り方は奥が深いとされており、大山総裁も亡くなる直前まで、自分の正拳の握り方が正しいのか悩んでおられたという。


主な攻撃体部:水月、腹部全体、顔面など

手刀(しゅとう)

正拳と並び、空手の代表的な基本部位。小指の外側の付け根の骨の下から手首にかけての柔らかい肉部分を使用する部位。主に首を含む鎖骨とその近辺、及び顔面攻撃などに使用するため試合などでは殆ど使用されない。


主な攻撃体部は、こめかみあたりの霞と呼ばれる急所を攻撃するのに使うほか顔面、鎖骨、首、脇腹などにも使う。

裏拳(うらけん)

手の甲側の人差し指、中指、薬指、付け根の背面を利用した部位。手首のスナップを使って打ちこむ。使い方次第では、かなり有効に使える部位である。正面にいる相手にも有効だが、後ろ及び横から攻撃する相手にも有効に使える部位である。相手に悟られにくい技なので、実践向きだが、顔面を主体にした攻撃をするため試合などでは使われていない。

主な攻撃体部:顔面、腹部など。

掌底/底掌(しょうてい)

手の平の下の筋肉部分を使用する部位。攻撃と防御のいずれにも適用することができる至って有効な手技の一つである。
技を出す場合は、できるだけ手首を反らせ、親指を手の甲側に強く引き寄せることで、手の平全体に張りをだすことで筋肉を固めて打つことが大切である。廬山館長が現役の頃に、横腹を打つことに良く用いた得意技の一つ。

主な攻撃体部:顔面部(顎、鼻など)、側腹部


猿臂(えんぴ)

硬い肘の骨を使い攻撃する部位。力が入りやすく攻撃力が強い部位で、至近距離で相手の胸部、或るは、顔面などを打つ。また、上から下へ体重をかけて打ち下ろす力が強いので、髪の毛などを掴んで相手の体を前に崩して頸椎などへとどめとして打落とすように使うと有効的である。使い方次第では、非常に危険な部位で、倒れている相手の顔面などに打ち込むと顔面の骨などを粉砕するほどの威力がある。

主な攻撃体部は、顔面、頭部、こめかみ、胸、鎖骨、背部など。

鉄槌(てっつい)/拳ツイ(けんツイ)

正拳を握った小指の付け根付近から手首間の筋肉部分を使用する部位。基本的には手刀の時に使用する部分と変わらないが、握りがある分、筋肉が固まり、力が入りやすいことと、手を痛めにくい。シッカリと握り手首を一体化させることが大切である。

主な攻撃体部:頭頂部(天頭)、こめかみ、側腹部、

弧拳(こけん)/鶴頭(かくとう)

手首を深く折り曲げた骨を使用する部位。折り曲げた形が、鶴の頭に似ていることから鶴頭と呼ばれる。ノーモーションから技を出せることで特に実践性の強い部位。大山総裁が得意としていた部位でもある。

主な攻撃体部:顎、脇腹など

平拳(ひらけん)/開甲拳(かいこうけん)

四本の指を折り曲げた第2関節部を使用する部位。
指を折り曲げたながら指を反らすようようにし手の平全体に張りをつくるようにして握る。

主な攻撃体部:胸骨、のど、眉間など

一本拳(いっぽんけん)

人差し指の第二関節部を使用して攻撃する部位。正拳の握りで、人差し指の第二関節部を立てて、親指の腹で人差し指を押さえ込む。

主な攻撃体部は、小さい急所部分。眼球、人中、こめかみ、のど眉間など

中高一本拳(なかたかいっぽんけん)

中指の第2関節部分をつきだした形で攻撃する部位。つきだした中指を他の指で強く押さえ込むようにして攻撃する。

主な攻撃体部:小さな急所部分。眼球、水月、こめかみ、のど
眉間、肋間など

親指一本拳(おやゆびいっぽんけん)

親指の第2関節部分を横に立てて使用する部位。正拳を握った形から親指を横に張り出した形で、こめかみなどの小さな急所に打ち込む。

主な攻撃体部:こめかみ、首など

鶏口(けいこう)/鳥嘴拳(ちょうしけん)

指先を全て束ねた形で使用する部位。鳥類のくちばしに似ていることから鶏口/鳥嘴拳などと呼ばれている。

主な攻撃体部:眼球、首など比較的柔らかい体部

貫手(ぬきて)

中指、を中心として人差し指、薬指の指先を使用して攻撃をする部位。特に鍛錬をしなければ利用できないが、この部位を鍛え抜いた場合は、肋軟骨の肋間から指を差し込み肋骨を引き出してしまうなど想像以上の威力を発揮する。

主な攻撃体部:柔らかい腹部、肋間、のど

三本貫手(さんぼんぬきて)

人差し指、中指、薬指の三本を開いた指先を使用する部位。
主の目潰しの時に用いら得れ、指二本ではなく三本にすることで、確実に両眼を狙える。大山総裁が実践で良く使ったと言われている。

主な攻撃体部:眼球

熊手(くまで)

親指を除く、各指の第2関節を折り曲げ、第一関節部及び手の平部を使用して攻撃する部位。攻撃によって、打ち込む瞬間に指を少し握り込むようにして指の第一関節部で叩くのに用いたり、逆に耳の鼓膜を破る場合は、当たる瞬間に指は曲げた状態で手の平を開くようにする。

主な攻撃体部:顔面、鼓膜破り、


虎口(ここう)

親指と人差し指を開き、他の指は握る。写真の形を上から見た時に虎が口を開いているように見えることから虎口と呼ばれている。親指と人差し指の指先を使い、相手の喉を掴みこむ。
立っている相手に対して使う場合は、突きの要領で出し素早く喉を握りこみ締め上げる。殺傷力がある実践部位。

主な攻撃体部:のどへの締め

指鋏(ゆびばさみ)

虎口と似ているが、親指と人差し指の指先と中指と薬指の第一関節を使い、相手の喉仏に突き込みながら、喉仏を握りつぶしながら捻りこむ。確実に殺傷するためにもちいられる実践部位。

主な攻撃体部:喉仏潰し


足の各、部位
中足(ちゅうそく)/上足底(じょうそくてい)/虎趾(こし)

空手の最も代表的な基本部位の一つ。足の指を反った、指下の肉付きの部分をしようする部位。極真では、中足と言うが、流派によって上足底、他に、つま先立ちした時に残った足跡が虎の足跡に似ていることから虎跡など様々な呼び方がある。

主な攻撃体部:腹部、顔面、顎など

足刀(そくとう)

足の小指からかかとの間の肉付き部を使用した部位。親指を上に反らし、他の4指を下げることによって、刀のように鋭くなる。蹴る場合は、かかとを押し出すようにすると張りがある形で蹴りこめる。

主な攻撃体部:腹部、顔面、足関節など

背足(はいそく)

足の甲から足首あたりを使用する部位。伝統空手では、殆ど利用しない部位だが、昔、極真がタイへ渡り極真vsムエタイの試合をしたことを機に、この部位を取り入れ多様するようになった。現在、極真の外側からの攻撃の蹴りは、殆ど、この部位を利用して蹴っている。この部位を利用した利点は、中足のように指先を反らせないので、脱力してスピードが出し易く、軸足も返しやすい。

主な攻撃体部:金的、顔面、脇腹部、足部など

爪先(つまさき)、趾頭(しとう)

足の指先を使用する部位。親指と人さし指を並べて蹴る方法と、親指1本のつま先を使用する場合とがある。但し、しっかりと鍛錬しないと利用できないが、鍛錬を積むことで強力な部位となる。


主な攻撃体部:水月、首、のど、眼球など、比較的、柔らかい急所。

踵(かかと)

足の踵を使用する空手の代表的な足技の部位。主に、後ろにいる相手に攻撃する場合にもちいられ、前方の相手に対しては踵落としなどで使用される。


主な攻撃体部:腹部全体、頭など。